自己破産


自己破産とは

自己破産とは,裁判所を通し,支払不能であることを確認し,免責を受けることによって借金を整理する手続です。裁判所の手続を通じ,破産宣告を受け,さらに免責許可の決定を受けることによって,債務を一切帳消しにすることができます。

自己破産の具体的手順

取り立て・請求の停止 弁護士は,まず,全債権者に対し,「受任通知」を送付します。弁護士が債権者に受任通知を送付し,債権者に到達することによって債権者は,直接債務者に取立てをすることが禁じられます。そのため,まず,厳しい取り立てから解放されます。

債権調査 弁護士が各債権者から,現在の正確な債権額の開示を受けます。

裁判所への申立準備 弁護士が必要書類を準備し,資産と収入の状況,借入から多重債務に至る状況,免責不許可理由などがないかどうか事情を聴取し,さらに必要な調査を行い,裁判所へ申立の準備を行います。その際には,あなたの協力が不可欠となります。

裁判所への申立と破産宣告 申立の準備が完了し,弁護士が,裁判所に申立を行います。原則として,裁判所での審問を経た後,裁判所が,本人が支払不能であると判断したときは,破産宣告をします。

破産廃止決定  特にめぼしい資産がない方,借入理由に問題がない方等については,破産管財人の調査の手続を省略し,破産宣告と同時に,破産手続が終了し,免責手続きに移行します。

破産管財人による調査と破産廃止 他方,不動産や預貯金など一定の資産がある場合、裁判所が破産管財人を選びます。破産管財人は,資産の内容につき調査をし,資産を金銭に換え,税金,又は債権者に配当します。また,借入理由に問題がある場合(多額の浪費,賭博,ギャンブル,クレジットカードで購入しすぐに換金する行為,偽名での借入等),管財人による調査を受ける必要があります。管財人の職務が終了すると,破産手続が終了し,免責手続に移行します。

免責審問と免責の決定 免責の調査のため,多くの場合,裁判所が審問をし,その後必要な手続きを経て,免責することが相当だと判断した場合,免責の決定を出します。免責の決定が確定すると,債務の支払をする必要がなくなります。

自己破産の利点

債務の全額の免責が可能 裁判所から免責の決定が下され,これが確定すると,債務の支払をする必要がなくなります。

差押を停止することができる すでに給料等の差押えを受けている場合でも,申立により,裁判所が認めれば,これを停止することができます。

自己破産のデメリット

手続が比較的複雑 任意整理に比較すると,手続が複雑であり,ご本人のより積極的な協力が必要となります。また,そのため,弁護士費用も,任意整理に比べ多少高くならざるをえません。

若干,資格制限がある 自己破産の場合,一定の資格(会社の取締役・監査役,保険外交員,警備員,損害保険代理店,宅地建物取引主任者,証券会社の外務員等)の資格が制限されます。もっとも,大半の仕事には全く影響はありません。

資産保持は不可能 破産と異なり,住宅,預貯金を保持することは原則として不可能です。

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